AREといえば、リカーブアーチェリーの定番レストとして世界中に信頼されユーザーに普及していました。残念ながらメーカーのアライエンジニアリングは、製造から全面撤退してしまったようです。

　このフリーチューニングレストは、最高グレードの一つ下のモデルになり、レストピンの動きを制御するトルクアジャスターの付いていないモデルになります。

　ステンレスプレートに取り付けられたレストピンの回転軸に、さまざまな調整機構が組み込まれているため、レストピンの高さ調整はもちろん、開き具合、傾きなど、あらゆる調整ができるようになっています。ピンの作動は、回転軸に取り付けられたパーツがマグネットに吸着されることによって復帰するようになっていますが、一般的なマグネットレストと異なり、これらの機構はすべてステンレスプレートの裏側に組み込まれています。

回転軸を後方から見た様子です。非常に精密な作りになっており、各パーツを固定するイモネジもかなり小さいものが使われています。

　回転軸の部分を裏側から見た様子です。2つ見える小さな穴は、回転軸を表側からステンレスプレートに固定しているネジのためのものです。このネジではレストピンの上下傾きを調整することができます。

　回転軸上部の円筒パーツの横でプレート方向に黒い部品が見えますが、これがマグネットに吸着される部分になります。

　下側から見た様子です。レストピンは曲げ加工のない真っ直ぐなピンが微細なイモネジによって固定されています。そのため、レストピンの長さについても調整が可能になっています。

　フィールドアーチェリーのベアボウでは、ストリングウォーキングにより取りかけ位置がさまざまに変化しますが、そのために場合によっては、アローシャフトがレストピンを強く押し下げて発射されることになります。レストピンに曲げ加工がされている場合、その加工部位に金属疲労が蓄積して折れやすくなるそうです。そうした理由で、ベアボウユーザーでこのレストの愛好者が多かったと聞いています。