リカーブボウ  リカーブサイト  DECUT NAHA

 ユニークなアーチェリー用品を提供してくれる中国DECUT社のリカーブ用サイトです。DECUT社はリカーブからコンパウンドまで多種のサイトを製品化していますが、このNAHAはリカーブ用として最上級モデルにあたるものです。高級感を強調するように、コンパウンド用サイトでよくみられるようなプラスチック製ケースが付属します。個人的にはかさばるプラスチックケースより、一般的な布製ケースのほうがありがたいと思うのですが、仕方がありません。


 ケースの中には写真のように収納されています。サイトレールとエクステンションバーを組み立てた状態では収納できないので、別途ソフトケースを準備するのが無難だと思います。

 固定ネジのダイヤルと各調整ダイヤルは大きめのプラスチック製ですが、軽量化を意識しているのか、大きな穴が空けられています。海外ユーザーの書き込んだ話の中には、強度不足のダイヤルが破損した事例もあるようです。


 マウントブロックからカーボン製エキステンションバーまでは軽量に感じますが、サイトレール部はずっしりとした重量感があります。構造的には、SHIBUYAのULTIMAに似た構造で、サイトレール内部にスクリューボルトが組み込まれサイトブロックはスクリューの回転により上下動します。SHIBUYA製では、このスクリューボルトをチタン製にして軽量化を図っていますが、このサイトではステンレスを使っているものと思われます。一番大きいバーツがステンレス製であれば、重いことは当然ともいえます。


 サイトブロックの取り外しはできず、サイトピン部のみが取り外せます。オプションでこの部分をスコープホルダーに変更できるパーツもあるようです。

 サイトブロックにはジャンプボタンが飛び出すような形でついています。ウインデージダイヤルも大きく操作もしやすいのですが、強度が気になります。


 サイトレールとサイトブロックの接触部分にはプラスチック部品が組み込まれ、がたつきは一切感じられません。このプラスチック部品が破損しても、圧力をかけて嚙み合う構造なのでがたつかないと説明されています。


 DECUTオリジナルのサイトピンが付属します。


 写真からはわかりませんが、マウントブロックの裏側も強度が心配になるほど細く削られた構造になっています。

 ユニークなデザインが目を引くDECUT製のアーチェリー用品ですが、よく調べると詰めの甘さが目立ちます。


 強度的に疑問な部分としてもっとも気になるのは、この部分です。トータルとして重量を減らす努力がこのサイトマウントブロックにしわ寄せされています。サイトレールに組み込まれたスクリューボルトの重さを相殺するために、ここまで肉厚をそぎ落としてしまうのは異常とも思えます。リカーブ用サイトの重量の軽さばかりに目を向けた結果の異常な設計とも言えます。トータルバランスこそ重要であり、皆さんもキャッチコピーに惑わされないようにしてください。重くてもスタビウエイトでバランスをとれば問題はないはずで、共振が出ずがたつきによるビビり音のないサイトであれば十分で、あとは操作性の好みの問題だけだと思います。