アローコンポーネント  アローシャフト  Victory V-Force Pink Project

  Victory社のV-Forceシャフトベースの乳がん撲滅基金に協力した完成矢の特別モデルで、これは600V6グレードのモデルです。 V-Forceは、基本的にはハンティング用のアローシャフトですが、ターゲット用としても十分な精度があり、何より安価な点がありがたいところです。アローシャフトのグレードにより価格は異なりますが、これは1万円でお釣りが来ます。

 

 完成矢セットなので、白色Blazer 245ノックと、ピンク+白のBlazer2インチベイン、80または100グレインのワンピースポイントがセットになっています。

  1ダースのアローシャフトは2つの発泡スチロールで支えられて梱包されていますが、Blazerベインの高さが比較的高いため、化粧箱に接触していた場合には、ベインが少し変形している場合もあります。このBlazerベインは、一度変形してしまうとなかなか元に戻らないのが難点です。

 同梱物としてスクリューインのポイント取り付け用インサートが付属していますが、セットのワンピースポイントで製作するため使用しません。本来はハンティング用矢尻のブロードヘッド装着を想定したものだと思われますが、約7.5ミリの外径に合わせたフィールドポイントでもあれば活用できる可能性はあります。

  付属のポイント用ブッシュと、ベイン接着部の様子です。ベインはわずかな右ピッチとなっており、接着面の接着剤はみ出しもなく、綺麗にかつしっかりと接着されていて、使用中の自然脱落は経験していません。ベイン接着が強固で、ワンピースポイントの先端が針のように鋭利なので、至近弾着の場合にはベインを貫通する可能性が高くなります。ノックのフィット感は良好で、コンパウンドボウでの利用に問題はありません。しかし、セットのワンピースポイント先端が鋭利なことと合わせて、継矢の可能性は高くなります。できれば別売りのノックピンに換えたほうが幸せになれると思います。継矢で破壊されたシャフトの構造を見ると、シャフト長方向と円周方向の2方向にカーボン繊維が組み合わされているようでした。

 Pink Projectのロゴ部分です。アローシャフトは、名前通りにオールカーボン製のシャフトにピンク色の塗装を施したものですが、実際の使用では、畳に刺さるときの摩擦熱で塗装の表面が溶け、畳とくっついてしまうため、抜き取りに苦労することになります。抜いたシャフト側にも畳のワラクズがくっつき、使用ごとにカッターで削り落とす必要があります。この状況で使用を続けると、畳に刺さる部分の塗装は徐々に剥がれてカーボンの地肌が見えるようになり、塗装がなくなったところで抜き取りに苦労しなくなります。

 この製品の本来の目的は、実用品ではなく、ディスプレイ用の矢なのかもしれませんね。

 ベインはピンク2枚、白1枚の構成になっていますが、ピンクにはBlazerのロゴが、白にはVictoryのロゴが印刷されています。 V-Forceに限らず、すべてのオールカーボン製アローシャフトに共通すると思いますが、新し目の硬いターゲット畳に高ポンドのコンパウンドボウで射ち込むと、シャフトのポイント挿入末端部にストレスが集中し、円周方向にヒビが入ってくることがあるので注意が必要です。程々に固くない畳のほうがシャフトのためにも、抜き取る際の体力のためにもありがたいですね。