リカーブボウ  リカーブサイト  FIVICS FV-100

 FIVICSが各種アーチェリー製品の販売に参入した当初は、サイトについては入門者クラスのものしかありませんでしたが、近年本格的な競技用として製作したサイトのひとつです。形式的には、ラック&ウォームギアのスタンダードな構造になっています。この形式をアクラ型といっても意味が通じる人はもう少なくなりました。シンプルなため軽量な構造にできることがメリットです。サイトブロックの固定ねじはブロック正面上部に付いており、サイトレールの中心を押さえるようになっています。サイトレールの裏側リブは、軽量化のための楕円形に6カ所穴があけられています。カーボンエクステンションの表面に、軸方向の中心に1本浮き上がった線が見られます。製作工程上の都合なのかもしれませんが、丁寧な仕上げではありません。

 

 発売当初は、四角い硬質スポンジケースの付属が案内されていたようですが、最近のものはSHIBUYA製サイトに付属しているものに似た布製ソフトケースになっています。

 

 サイトブロックを正面から見た様子です。ブロック上部のネジはサイトレールへの固定ねじ、ブロック下部に斜めに見えているのはサイトピン固定ねじです。

 ウォームギアの歯数は7段で、1回転あたりサイト目盛り2つ分動きます。サイトピンの左右を調整するウィンデージノブには幅があり作動も適度な固さになっています。

 

 サイトレール裏側リブの肉抜きが6箇所されているため、エクステンションバーの取り付け位置が変更可能なのは、上下とも2箇所ずつに限られており、サイトレール位置の変更は限定的です。

 

 サイトブロックの裏側の様子です。サイトレールと接触する部分にはプラスチック系の防振部材が組み込まれています。サイトブロック固定ネジを締め込むことにより、これらの部材がサイトレールに押し付けられて固定されることになります。

 アルミ矢しかなかった時代のアクラ型サイトでは、ブロック固定ネジもなく、サイトレールとの密着には真鍮製の板バネが使われることが一般的でした。

 

 エクステンションバー取り付けブロックには、固定ネジの反対側にも金属製スプリングボールが組み込まれており、エクステンションバーに刻まれた凹みに引っかかるようになっています。

 エクステンション取付ブロックの固定ねじは、SHIBUYAやWin&Winのサイトのように5/16-24サイズではなく、少し細いサイズのものが使われているので、紛失防止のためにスタビライザーブッシュに仮止めしておくことはできません。

 

 サイトピン固定ネジの軸にはゴムのブーツがかぶっています。ウインデージノブの回転に伴い、このネジもサイトブロックに明けられたスリットに沿って移動することになりますが。ゴムがスリットの隙間を埋めることにより防振機能を果たすことを期待しているものと思われます。サイトブロック内のウインデージパーツのガタツキが大きいとは感じませんが、このゴムブーツの耐久性が気になります。