個人的には、その発売を非常に期待していたDECUT製のリカーブ用カーボンサイト、HONOR-Cです。到着を心待ちにしていたのですが、その仕上がりは期待をかなり裏切るものでした。がっかりしたのは実用性の部分ではなく、サイトレール部分は新設計されたものの、エクステンションバーおよびケースが明らかに旧モデルであるNAHAの余剰パーツの流用であったことです。エクステンションバーの表面を光に反射させると、「NAHA」のロゴを削り取った跡まで見えてしまいます。スペアのサイト目盛りシールも付属していますが、シールの目盛り幅がサイトレール本体にレーザーでマーキングされた目盛り幅と違うため、使い道はありません。
機能面では問題ないとしても、この品質感では世界に通用しないのではないでしょうか。
コンパウンド用サイトHONOR-ACPで、新たなサイト構造が問題ないことは確認できていたので、その設計をリカーブ用にしたサイトに期待していたわけです。旧モデルのNAHAでは、サイトレールに凝った構造を採用したことにより重量バランスが前方に寄り過ぎ、全体の重量を軽減させるためエクステンションマウントブロックを非常識なまでに削ってしまうというような、素人設計が目につきました。このHONOR-Cでは、さすがに経験を積んだためか、実用性に不安を感じる点はありません。サイトレールの上下にあるダイヤルを回転させるとサイトブロックが上下するという、近年よく見かける方式です。この方式で問題になるのは、サイトブロックのがたつきによる振動ですが、HONOR-Cではサイトブロック横に固定用のロックダイヤルがあり、そうした心配は無用になっています。
サイトブロックの内側に見える真鍮製のボタンは、クイック移動用のボタンです。サイトブロックは左右調整ダイヤルの部分から分離できるようになっていて、ブロック上部に見えるねじで固定しますが、このねじを完全に抜き取らないと分離できない面倒な構造で、弓具を収納する際のネジの紛失が心配になります。
エクステンションマウントブロックは、以前に紹介したDC=REのものとまったく同型で流用が可能であり、別売りでも1000円以下で入手できるので、複数のハンドルでサイトを使いまわすことも可能です。
標準で付属するサイトピンは、近年流行している無倍率レンズ+ファイバーピンのタイプで、おまけとしてはちょっぴりお得感があります。ただし、DECUTから単独で販売されているサイトピンのようにファイバーピンの太さが選べたり、スペアのファイバーが付属してはいません。
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