金属ブレードをハンドルにネジ止めするだけのシンプルタイプのクリッカーは、その信頼性と豊富なバリエーションパーツが特徴のBeiter製が市場をほぼ独占しているといっても過言ではないという状況です。カーボンブレードを使ったクリッカーを製品化しているメーカーもありますが、価格的な問題もありメジャーになりきれていませんし、このタイプのクリッカーを製品化しているメーカーの数も、数えてみればいくつもありません。こうした中で、中国DECUT社が製品化した「SOLO」クリッカーです。DECUT社のアーチェリー製品は、ものによっては製品企画に未熟な点が感じられるものもありますが、近年、リカーブハンドルまで製品化していて、アーチェリー業界に参入する本気度は並み居る中国メーカーから頭一つ抜き出ているようです。オリジナルのリムが製品化できれば、FIVICSに続くトータルアーチェリーメーカーになる可能性もあります。
DECUT社の製品は、パーツごとに愛称がつけられていることが特徴です。このクリッカーの場合は「SOLO」です。Beiter製クリッカーの場合は、取り付けネジサイズをあらかじめインチかミリを選ばなくてはなりませんが、後発の強みで両方のサイズのネジが付属しているため、どちらのサイズでも使用できるようになっています。ブレードの厚みは0.3ミリと、Beiterの標準的なものより厚めですが、硬いカーボンブレードタイプよりも無難です。
構成は、プラスチック製ベースプレートに金属製ブレードを差し込んで、止めネジを締めこんで固定する構造です。Beiterのような柔らかい樹脂パーツは使用していません。金属ブレードについても、Beiterのように特定の長さで固定する穴ではなく、長軸方向に自由度のある長い固定穴をもった構造です。近年、さまざまな新興メーカーから新たなハンドルライザーが製品化されている状況下では、なかなか意味のある工夫ではないかと思われます。
SOLOクリッカーの止めネジです。Beiterを真似たWin&Winの旧タイプや、Cartel製のクリッカーではプラスチック製ダイヤルの内側に正六角形のボルトが埋め込まれる構造になっていて、このダイヤルを強く締めこむと、プラスチックの強度が不足する結果、空回りしてしまう欠点がありました。これも後発のメリットだと思いますが、ダイヤルは指がかかりやすい形状で、内側の金属ボルトも六角形の頭ではなく、プラスチックダイヤルにしっかりと噛み込む形状をしています。写真ではうまく映すことはできませんでしたが、ダイヤル外周には小さな飾り文字まで仕込まれています。必要かどうかは別として、なかなか気合の入った製品です。
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