Hoyt社のFormulaシリーズ初号機になるRXライザーです。Hoytの公開パテントで長年国際的な統一規格であったHDS(Hoyt Dovetail System)、通称ILF(International Limb Fitting)と異なる規格として発表されたシステムです。
従来のリムが転用ができなかったため、Formula市販後の普及の進捗スピードは、芳しくなかったようです。当初はHoyt製のリムしかありませんでしたが、アダプタでILF規格のリムを使用できるようにしたものとか、韓国MK archery、英国Border社などでFormula規格のリムが市販されています。さらにMKからはILFとの兼用ハンドルライザーや、SF、Win&WinからもFormula規格のリムが発表されるようです。
バック側から見た様子です。センタースタビライザーブッシング位置は、前シリーズのNEXUSタイプよりも上に移動しています。
このハンドルライザーは、最も初期のロットでリムボルトは旧来の固定型のものでしたが、最近のHoytハンドルで共通に使用されている可動リムボルトに変更しています。リムボルトのネジピッチは、GMX以降は共通のようです。
フェイス側から見た様子です。グリップは、GMXと同様、グリップ内の側面、左右のどちらかにプレートを挟むようになっていて、グリップの左右位置を微調整できるようになっています。リムボルトの反対側には、ほとんどのILFシステムと同様に、リムボルトのロックポルト用の穴が開いていますが、側面のデザインを見てもわかるように、とても深くなっているため、ロックポルト用の六角レンチは柄の長い専用のものが付属しています。
アッパー側のリムポケットの様子です。もはや、ポケットといえるのかわかりません。センター調整のためのHOYT HARDLOCK ALIGNMENT SYSTEMは、旧来のものと基本的には変わりませんが、リムボルトからリムブッシングまでの距離が伸びているため、従来よりも微調整ができるともいえますが、調整幅が小さくなることも気にする必要があります。
HOYT HARDLOCK ALIGNMENT SYSTEMのリムブッシングを差し込む部分です。Hoytでは、Tスロットと呼ぶようです。調整方法は調整用ドエルの両端にあるワッシャーを左右に移動させる従来の方法と同じです。Tスロットの中心には六角ボルトが追加され、ドエルを固定する際にドエルが回転しないよう締め付けておけるようになっています。
可動式リムボルトの裏面の様子です。リム接触面にはポリアセタール樹脂のワッシャーが組み込まれています。
旧来の固定型リムボルトを使用していた時は、ドローイングに伴いギシギシする感触がありましたが、このリムボルトへの変更で解消しました。リムのバット側が延長されたことにより、この部分も湾曲し接触面がかなり擦れるようになっているようです。
Formulaタイプのハンドルライザーで、後期ロットが可動式リムボルトに変更されたり、リム側に潤滑用シートが貼付されたのは、これを対策するためのようです。
リム接触面のポリアセタール樹脂ワッシャーの様子です。すでに固定式のリムボルトでバット部分に傷がついていたリムを使用した影響もありますが、樹脂の削れ滓がわずかに発生しており、このリムボルトに変えてもリムとの擦れがあることがうかがわれます。
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