DECUT製のハイグレードタイプのプランジャーとしては、JANUSが新たに市販されたところですが、それまで唯一のハイグレード製品であったSHAPです。正直、センスに欠けるデザインの印象があり、欲しいとは思っていなかったのですが、セールとして少し安く販売されていたので購入してみました。

　ハイグレードクラスということもあり、操作感や動作精度については全く問題ありません。プランジャーボタンのピストン部分は、DECUT製でおなじみの真鍮製です。ボタンの摩耗は無視できるためか、プラスチック製プランジャーボタンを採用しているものでは一般的に付属しているスペアのプランジャーピストンはありません。

　プランジャーの調整目盛りはひじょうに細かく、新型のJANUS同様、精緻な調整が可能になっています。調整ダイヤルはネジを締めこむ方向に回すと、内部の目盛り板が引き上げられてバネ圧が緩む構造で、INFITECの製品で見られた構造と同様です。

　一般的な販売価格は、新型のJANUSと同じくらいであり、旧型といっても安価な印象はありません。JANUSの方が専用ケースが付属していたり、豊富なカラーバリエーションもあり、改良されていることを考えると、あえてこの製品を選択する理由はないかもしれません。

　専用レンチの形状は独特で、ロックナットに刻まれた外周2か所の溝にレンチをかけるようになっています。写真は逆向きにかけていますが、プランジャーボディとロックナットの間に隙間がない状態で組み上げられていたので、レンチのかかり具合を示すために試してみたものです。ハンドルライザーにねじ込むシリンダー部分の長さが少し短めであるため、肉厚のハンドルライザーである場合は、この専用レンチが差し込めない場合があるかもしれません。ただし、ロックナットの径が大きめで少しでこぼこしたデザインであるため、指でだけでも十分な強さで締めることはできます。