Cartel社のクッションプランジャーの現行モデルの中で、バネ圧をクリック調整できるタイプではもっともベーシックなモデルです。このモデル自体はかなり以前から存在していましたが、マイナーチェンジを繰り返し、以前のものとは比較にならないほど品質が向上しています。

　基本構造は、ほぼBeiter社のものと同様ですが、さすがに品質はBeiter製と同様とまではいきません。付属品としては、スペアのピストンボタンとスプリングが各1本、スプリングは本体に内蔵されているものとまったく同じで、スプリング交換によるバネ圧変更はできません。そのほか、固定ネジ位置調整用とクリック調整用の六角レンチが各1本が付属しています。

　分解した様子です。前述のとおり基本構成は以前のものから変更はありませんが、各パーツの精度は大幅に向上しています。以前物は、ピストンボタンの軸表面がざらざらとしいて、材質も柔らかく、プランジャーシリンダ内で少し遊びがあるものだったと記憶していますが、今回のものについてはそういった問題は一切ありませんでした。そのほか、クリックダイヤルには数字が刻まれるようになり、仕上げについてはかなり良くなっています。ただし、標準添付されるスプリングのバネ圧が強めで、一番弱く調整してもまだ固く感じられるレベルです。微細な調整をしたい場合には、同じサイズの弱めのスプリングを探したほうがいいかもしれません。