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いにしえの国産アーチェリーメーカー

 以前の何かしらの記事で書いたかもしれませんが、私自身は今から48年前に正月のお年玉で購入した「YAMAHA YAセット」を手に入れたことが、アーチェリーに関わるきっかけであり、数年後に入学した大学にアーチェリー部があったことが、アーチェリーにはまり込んだスタートでした。私の年代を前後して道永選手や全ア連の現理事長である穂苅美奈子(旧姓 佐藤)選手が存在したことは大いに刺激になりました。当時の国産アーチェリーメーカーとしてはYAMAHAが主体で、分解することのできないワンピースボウが主流であり、YAMAHAとしても最初の分解可能なテイクダウンボウ「YTD」が初めて登場したような時期であったと記憶しています。

 このテイクダウン型のボウスタイルでは、単に分解できることだけを目的にして、接合方式も形態も全く互換性はなく、それぞれのメーカー独自の方式が採用され、メーカー個々に独自の優位性を唱えているような時代であり、テイクダウン方式のメリットであるリムを自由に選択できるという部分については無視された状況でした。HOYT、Bear、WING、BLACKWIDOW、CAROL、YAMAHA、MAKITA、NISHIZAWA、KAZAMA、Marksman、ASAHI、LANSWICKなど、欧米、国産の一部を挙げただけでもそれぞれ全く互換性のない方式が乱立していたことは、当時を知らない方にとっては信じられない事態であると思います。それらのうち競争力のないメーカーは淘汰され、HOYTとYAMAHA方式に集約されていきますが、最終的にHOYTがHDS(ILF)方式の接合方法を公開特許にしたことで、今日のどのメーカーでもハンドル、リムの組み合わせが自由という状況になっているわけです。ですが、HDS方式にしても細部まで厳密に規定された特許ではないために、組み合わせによっては使えない場合も出てくるという複雑な状況も生み出しています。

 話を戻しますが、淘汰されてしまった国産メーカーが、最後まで残ったYAMAHAよりも性能的に劣っていたかということです。確かに製品の均質的な品質やサポートでYAMAHAにまさるメーカーは無かったと思いますが、価格的なメリットを考えれば、懐が貧乏な学生にとってはありがたいYAMAHA以外のメーカーがいっぱいあったんです。それが、世の中のバブルにより高価な物が良いという世相が、これらの国産中小メーカーを潰してしまったんだと思っています。そうした歴史を調べてみたいのですが、なにせ情報が少なすぎます。

 近年、新たな挑戦としてひとつの中小企業が国産弓具の販売を開始したことが話題になっていますが、あくまで個人的な意見としてですが、あの価格は多くの日本人アーチャーに使ったもらおうという気概の価格でもなく、本気で普及にチャレンジしているとは思えません。実績もないのに精度だけを自慢にし、ニュースに取り上げられることだけを目的にした弓具など一般アーチャーには必要ありません。

 気軽にアーチェリーに挑戦できる価格であり、一定レベル以上の精度が確保された弓具であることが、私がSanlida製をお薦めする理由です。アーチェリーを、ゴルフのようにお金のかかる高級スポーツにしてはいけません。