信頼できる中国製アーチェリー用品の判別

 近年の中国製アーチェリー用品では、独自のデザイン、機能を盛り込んだ特徴のある製品も増えてきましたが、一部にはまだ使い物にならないレベルのものもあります。我が国でも、アーチェリーというスポーツが導入されたばかりの黎明期は、今ほど知的財産あるいは著作権といった意識が低かったこともあり、海外製の製品を真似た国産アーチェリー用品が多かったと記憶しています。中国製のアーチェリー用品においても、どこかで見たようなデザインのものが少なくないのも事実ですが、本家本元のメーカーが廃業してしまっている場合に、欲しかった製品を復刻してくれたという場合はどうでしょう。

 右の写真で黒色のサーバーは、私が40年以上愛用しているスウェーデンの「Björn」オリジナルの製品で、青色のものはAmazon販売でもよく見かける中国製のコピー品です。オリジナルは50年近くも前に販売されていたものなので、知的所有権といったものから外れているものなのかもしれません。


 これらが、まったく同じであったなら、個人的にこの中華メーカーに感謝したかもしれません。ですが、このコピー品は使い物にならないジャンク品であり、安くても絶対に手を出してはいけません。その理由は、最後の写真でお示しした、サービング糸の繰り出し穴のサイズを見てください。オリジナルは、糸を通すのも面倒な小さなサイズですが、コピー品はガバガバに大きな穴が開けられています。これではサービング糸を安定して送り出すことはできず、密着した強固なサービングを造ることは困難です。その他にも、プラスチックのバリや、50年前の製品にも劣るネジ精度など、ツッコミどころは満載なのですが、何より根本的な機能が不完全ものが、あたかも実用品であるかのように販売されているというだけで迷惑な製品です。

 このように、既存製品の外観だけコピーしても、その製品がどのような目的で使用されるのかも知らない製造業者が、ガラクタ同然のものを大量生産している場合もありますので、価格の基準だけで中国製のアーチェリー用品を選択するのはやめてください。当方のウェブで紹介しているアーチェリー用品は、中国製のものが大半ですが、個人的にその品質や実用性を確認してきたもので、手放しで全く問題がないとまでは断言できませんが、少なくとも実用になり、財布にも優しいものを紹介してきたつもりです。

 古くからAmazon通販等で目にしている製品であるにも関わらず、当方のウェブで紹介しないのは、個人的な趣味という部分もありますが、このサーバーのように実用にならないと判断したものは紹介しなかったとご推察ください。