中国製コンパウンドボウ

 中国製コンパウンドボウは、これまでJUNXING M106のほか、KRYSIS EXPLORER2、Sanlida HERO X8などを仕入れてきましたが、最近の製品は間違いなく世界と戦えるレベルになったと感じます。

 最初に購入したJUNXING M106はハンドルライザーがダイキャスト製ながら、ユニークなシュートスルーデザインで上下カムを入れ替えると右用にも左用にもできるという、既存のメーカーにはない発想で非常に面白い製品であり、現在でもAmazonの通販から入手できるようです。ユニークな製品であるもののシュートスルーウインドウの幅が狭く、一般的なランチャーレストの調整範囲ではセンターが出せないという致命的な欠点もありました。ウインドウ開口部の狭さは、ダイキャスト製の強度上の制限があったためだと思います。もちろん、ランチャーレストの取り付け方法を工夫すれば問題なく使えるので、この欠点を承知していれば、価格的にも安価なため入門用としておすすめです。


 KRYSIS社は、外観はコンパウンドボウでありながらリムにあたる部分はゴムパチンコ(正式にはスリングショットというのでしょうか)のゴムを何重にも重ねて強力にして矢を射ち出せるようにしたものを製品化するなど、ユニークさでは負けていないメーカーですが、本格的なコンパウンドボウとしてEXPLORER2というモデルも製品化しています。なぜ、この製品を紹介していないかというと、おそらく禁断の製品であるからです。PSEのCarbon AIR-2016のデッドコピーです。PSEの2016年モデルは1年限りで、翌年から少しずつデザインが変更され、現在はまったく異なったデザインになっています。デッドコピーといっても、すべてのパーツが同じということではなく、カムはHDカムの形状をコピーしていますが材質が異なり、リムはKRYSISオリジナルのようです。購入に際して注文と異なるポンド数のものが送られてきたりトラブルで散々でした。いずれにしても、この製品はウエブ上では紹介しませんが、詳細について興味がある方は、お問い合わせください。


 HERO X8は、Sanlida社の中級者向けコンパウンドボウという位置づけですが、リムの選択次第で最低で25ポンド、最高で60ポンド超という幅広いドローウエイトと、ドローレングスについてもすべての人に適合させられるほどの調整範囲が広いことも特徴です。ダイキャストハンドルにペイントカラーという構成ですが、赤、青、緑、白、黒とカラーバリエーションも豊富で、細部の仕上げについても文句のつけどころがありません。ストリングストップが組み込まれていないベーシックな構成ですが、ハンドルにビルトインダンパーが標準装着されていて、発射音も非常に静かです。価格的にも信じられないほど安価で、1月12日現在のAliexpressでの販売価格は28,607円であり、入門者用としては一番のおすすめです。


 さらに、近日中にSanlida HERO X10を仕入れる予定です。このモデルは、少し前に開催されたマカオ・インドアワールドカップの一部の出場選手に使用されて上位入賞をはたした実績があります。価格的にはHoyt、Mathewsなどより安価で、性能的にも国際水準となれば、これからは、中国製コンパウンドボウの進歩に目が離せなくなりそうです。