これも本邦初公開といえるものだと思いますが、DECUT社のボウスタンド「HERMES」です。最近のボウスタンドは、携帯性を考慮して軽量化したものが多くなっていますが、その反動として風が吹いただけでもゆらゆら揺れるようなものも増えています。こうしたものは、入門者レベルの弓本体が軽量のものであれば問題ないと思いますが、スタビライザーに数多くのウエイトを搭載して重くなった上級者レベルの弓では心もとないものとなります。その点、このボウスタンドは、写真で分かるとおり、スタンドを構成するシャフトが一般的なものよりひとまわり太く頑丈です。たぶんアルミ製の中空シャフトが使われているものと思いますが、重量的にも軽量です。

　組み立ては、スタンド基部の取り付け穴に脚シャフトを差し込むだけです。穴のサイズと脚シャフトの太さはぴったりで、きつさやがたつきはまったくありません。穴の奥にはマグネットが仕込まれているようで、わずかに吸着感がありますが、穴と脚シャフトがぴったりと嵌合するため、注意しないと気が付かないほどです。

　ブランド名の「HERMES」は、スタンド本体シャフトや脚シャフトに大きくプリントされていますが、「DECUT」の社名はスタンド基部の一か所に小さくプリントされたものがあるだけです。脚シャフトの接地部は、シャフト全周を覆うゴムキャップが付いていて、特定の接地部が摩耗してしまう心配はなく、インドアでも安心して体育館に持ち込めそうです。唯一気になる点は、弓のグリップを支えるU字型部分の頭頂部が強く絞り込まれているため、グリップが太めの弓では、かなりきつめになるのではないかというところです。しっかり挟み込まれれば、センタースタビを持つだけで弓本体にスタンドを付けたままで移動できるので、不便だというわけではありませんが、グリップテープでグリップを太くしている場合には注意が必要です。