Cartel製ハンドルライザーMIDASの23インチです。Cartelでは、ILFリム規格のリカーブハンドルとして、X-PERT(23インチ)、FANTOM(25インチ)、MIDAS(23/25インチ)の3製品をラインアップしていますが、MIDASはこの中では上級者向けになります。近年、多くのメーカーで23インチハンドルは廃番となるか、初心者向けに構造が簡略化されたモデルのみとなり、選択肢が限られる状況になっています。その中で、比較的安価に入手できるMIDASは、多少の問題はあるにせよ、貴重な存在です。ただし、一般のショップで販売されているのをあまり見かけないので、入手には苦労するかもしれません。このハンドルは初代モデルですが、現在はMIDAS MPSという名称で、リム調整機構の変更、塗装の改善されたものが製品化されているようです。
ハンドルのバック側デザインです。特に特徴的なところはありません。
ハンドルのフェイス側デザインです。グリップ下のロワー側にカウンターウエイト用のスタビブッシュが一つあります。WIN製のものに似たデザインのウッドグリップが装着されていますが、比較的軟質の木材で製作されているため、ざらついた木目の感触が残る仕上げになっています。
このハンドルの前歴はレンタル品だったそうですが、アッパー側はこのように赤錆びてセンターが偏ったまま完全に固着し、調整不能の状態でした。雨の中で使用後、メインテナンスせずに放置したものと想像されます。
センター調整用のヘックスボルトです。反対側にも同様のボルトがあり、両側のボルトを、反対方向に同時に回転させることで調整します。
リムのセンター調整機構は、HOYTとWINの方式をミックスしたような構造になっています。リムのデタントピンを受ける円筒形のドエルがハンドルを貫通しており、ドエルの両端にあるヘックスボルトを、左右で緩める、締めるの反対回転でドエルのTスロットが左右に動きます。
ロワー側は、錆びは少なかったものの、センターがずれたまま固着していたのはアッパー側と同様です。Tスロット座面中心のデタントピン嵌合穴には、HoytのNEXUS以降と同様、ドエル回転止めのイモネジがあります。
一昼夜、CRC漬けにして錆びを取り、ドエルと調整ボルトの固着をなんとか補修したところです。ここで注目すべきは、リムポケットのリムの接触座面に対するTスロット座面の深さです。なんと、この深さのためにWINSTORMなどの初心者用リムが使えないのです。
ロワー側の補修後です。やはりハンドルを貫通した内部がかなり錆びていました。Tスロットが深いため、デタントピンの首にあたるシリンダー部の長さが十分にないと、リムを差し込んでも、リムが起き上がったままリムボルトの傘部に届かない状態になります。
重要な構成パーツの材質が粗悪で簡単に腐食してしまう、肝心な部分の設計がいい加減で完全な互換性に欠けるなど、Cartel製品の特長がよく出た逸品ですが、貴重な23インチハンドルであることと、後継モデルも出ているので、その辺は改良されているだろうと期待を込めて勘弁してあげましょう。
よく似てはいてもコピーではないことの証明に、25インチと23インチの違いはありますが、比較写真を載せておきました。でも、遠くから見ればシルエットは........。
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